日本海に突き出た能登半島は、古くから海を介し、大陸や日本海沿岸各地から様々な文化や技術、情報が行き来する日本海水運の重要な拠点となっていました。 それらの交流の中で、独自の文化を育んできた能登半島は、今も、祭りをはじめとする貴重な民俗行事が受け継がれ、「民俗の宝庫」「祭りの宝庫」と呼ばれています。 
中でも最大の行事と言われるのが能登の「キリコ祭り」です。

キリコが神輿(みこし)のお供をして道中を照らし、神様をお守りしながら漂い、乱舞する祭りを総称して「キリコ祭り」と呼びます。 その特徴は、宵祭りにキリコが神社に集結し、御発の式典を済ませた後、神輿に従って海辺や河岸に設けられた御旅所に向かい、そこで柱松明炎上の祭典を奉仕するところにあります。

7月初旬から10月中旬までの間に、百数十を超える地区でキリコ祭りが行われます。 残念ながら担ぎ手の減少で、祭りの日に担ぎ出されるキリコの本数は年々少なくなっていますが、大切に保管されている物も含めるとその数は700〜800本と言われています。

ひとくちに「キリコ祭り」と呼んでも、その内容はさまざま。
その名のとおりキリコやみこしが大暴れする「あばれ祭り」(能登町)。
巨大な6本のキリコが圧巻の能登を代表するキリコ祭り「石崎奉燈祭」(七尾市)。
一番多くキリコが担ぎ出され、その数は100本を超えると言われる「八朔祭り」(富来地区)。
キリコを担いで海に入る「沖波大漁祭り」(穴水町)。
華麗な輪島塗のキリコが林立する「輪島大祭」(輪島市)。
キリコも担ぎ手も華やかな色彩で身をつつんだ「蛸島キリコ祭り」(珠洲市)。
……さらにキリコの大きさや装飾なども各地でそれぞれ趣向を凝らし、独自の個性を競います。

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